亜鉛は、日本人が1日に必要とされる量(番組では男性9mg、女性7mgと言ってましたが、成人 男性12mg 女性10mg 最大は30mgまで 欧米では15mgだそうです。)を摂取できていない人が多いのです。
亜鉛は微量ながら様々な食材に含まれているので昔の食生活では不足することはなかったのですが、インスタント食品、スナック菓子、ファーストフード等の普及やヘルシー志向、飲酒、喫煙、ストレスにより摂取不足が深刻になっています。
※過剰摂取は銅の吸収阻害をもたらし、健康によくありません。
また、摂取できても汗や尿で排出されやすいので常日頃から摂取を心がける必要があるのです。
亜鉛の働き
●亜鉛は新しい細胞をつくる時には欠かせない物質です。また300以上の新陳代謝に不可欠でもあります。
●脳の神経伝達物質に関与し、特に海馬という記憶部分に必要なのです。
●欧米ではセックスミネラルと呼ばれ、精子、卵子の生成に関与します。
●亜鉛は、セレンという成分とともに、体に進入してきた水銀などの有害物質を排泄する解毒作用(デトックス)もあります。
●妊婦の方は必要量+3mgくらいが赤ちゃんの成長のために必要になります。
●インスリンの合成に必要です。
不足すると
●細胞の新陳代謝が悪くなります。成長期の乳幼児や子供であれば成長が遅くなります。大人であれば肌の老化やかさつき、生殖機能の衰え、抜け毛等に影響が出ます。
●味覚障害を引き起こします。舌の新陳代謝が遅くなるためと考えられます。
●代謝の活発な脳神経にも多くの亜鉛が使われます。不足は記憶をつかさどる海馬の部分に多いため、記憶力の低下、物忘れにつながります。
●ストレスを受けたときに多く消費されます。イライラにも関与しています。(亜鉛にはイライラの神経伝達物質を抑える働きがある。)
●免疫機能が低下し、風邪をひきやすくなります。
●酵素が働く場合に必要で、動脈硬化予防やお酒を飲んだときに使われるアルコールを分解する酵素に亜鉛が必要になります。
【亜鉛不足の原因】
・飲酒が、アルコール分解で亜鉛を無駄使いします。
・喫煙で活性酸素撃退酵素が多く亜鉛を多く使います。
・ストレスが”イライラ”の神経伝達物質を抑える働きをするため、多く使ってしまいます。
・ヘルシーな食生活やダイエットは食物繊維を多く摂る食事をしています。食物繊維が亜鉛を吸収する前にくるんで排出してしまいます。
・他にも汗をかくことで多くが失われます。汗をかきやすい人は注意しましょう。
【亜鉛を多く含む食品】
牡蠣(カキ)・鰻(うなぎ)・ホタテ・シジミ・タラコ・イカ・カニ・煮干
牛肩ロース、もも肉・鶏レバー、皮付きもも・豚レバー、ヒレ
ひじき・わかめ・まいたけ・しめじ・えのきたけ
納豆・豆腐・高野豆腐・味噌・きな粉・カシューナッツ・アーモンド・そば・プロセスチーズ・ココア
野菜で多いのはごま・そら豆・ブロッコリ−・ほうれん草・オクラ等
※肉類の赤身に多く含まれ、1mgを摂取するのに鶏のささみ串焼きなら1本、豚のしょうが焼きなら1切れ、肩ロースでは1切れ(18g)で足ります。
他に卵にも多いので、野菜中心とはいえ動物性たんぱく質も摂るよう心がけてください。
(動物性タンパク質に含まれるシスチン、ヒスチジンが吸収を良くします。また、運送係となって亜鉛を全身に運ぶ役割があります。
※吸収率を高めるにはビタミンCとクエン酸です。酢・梅干 レモン(柑橘類)等を組み合わせましょう。
実験では50%もアップしました。
牡蠣(カキ)にレモン果汁という組み合わせは最高です。酢豚、ちらし寿司等もいいですね。
※多くの食品に存在するのですが、食物繊維、カルシウム、穀類に多いフィチン等が吸収を阻害します。
豆知識
◆おもいっきりテレビで、「梅雨・夏を乗り切る」ということで抜け毛予防、肌の老化予防のための亜鉛の効果的な摂取法が紹介されています。
細かくきざんだ焼き海苔が亜鉛の吸収を高めて充分な量を確保してくれます。
また、無駄な流出を防ぐにはドレッシングで油を摂るといいそうです。
◆解毒(デトックス)、免疫力を高めるにはセレンも必要
牡蠣(カキ)やホタテにはセレンも多いのです。他にはワカサギ・いわし・かれい・ネギにも含まれています。